野菜、果物、緑茶といった抗酸化能が高い食品を日常的に摂取することは健康寿命の延伸に繋がるかもしれない

発信日:2019/09/11

 食事由来の抗酸化能と死亡との関連を調べたアジアで初めての研究結果。抗酸化能が高い食事をしている人は死亡リスクが低く、特に循環器疾患死亡との関連がみられ、アメリカおよびフランスの先行研究とも一致している。野菜、果物、緑茶といった抗酸化能が高い食品を日常的に摂取することは健康寿命の延伸に繋がるかもしれない。一方、今回の研究ではがん死亡との関連はみられなかった。理由ははっきりしまないが、がんは部位によってリスクとなる要因が異なり、また発がんのメカニズムにおける抗酸化物質の関与が複雑なためかもしれない。両者の関連性についてはさらなるエビデンスの蓄積が必要と報告グループはまとめている。

※1 鉄還元抗酸化能(ferric reducing-antioxidant power, FRAP法)
 簡便で、使用機器や試薬が安価。血清や植物の抗酸化能分析に適している。サンプルによって反応時間が異なる。測定しているのは還元力である。
※2 酸素ラジカル吸収能(oxygen radical absorbance capacity, ORAC法)
 水溶性、脂溶性のどちらのサンプルも測定できる。一回測定で抗酸化作用の持続時間とその力価を合わせて評価できる。実験操作が容易である。反応温度により測定結果に影響が出る。

 

国立研究開発法人国立がん研究センター社会と健康研究センター
食事由来の抗酸化能と死亡の関係
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8391.html

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