納豆の摂取量が多いと循環器疾患による死亡リスクが低い!( 多目的コホート研究:JPHC Study)

発信日:2020/02/01

 平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所(呼称は2020年現在)にお住まいだった40~69歳のうち、研究開始から5年後に行った食事調査票に回答し、がん、循環器疾患になっていなかった約9万人を対象に、平成24年(2012年)まで追跡した調査結果にもとづいて、総大豆食品、発酵性/非発酵性大豆食品、各大豆食品(納豆、味噌、豆腐)の摂取量を計算し、等分に5つのグループに分け、その後、平均約15年間の死亡(総死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、心疾患死亡、脳血管疾患死亡)との関連を男女別に検討。
 結果は、上表のとおり。
 報告者は、「大豆にはたんぱく質や食物繊維、ミネラル、イソフラボンといった様々な成分が含まれ、血圧、体重、血中脂質などに良い効果を及ぼすことが先行研究から報告されている。今回の研究では、植物性たんぱく質の主な摂取源でもある大豆製品の中でも、発酵性大豆食品が関わっている可能性について示したが、特に、発酵性大豆食品は加工の過程で成分の消失が少ないことなどが、明らかな関連を認めた理由の一つとして考えられる。これらは日本特有の食品でもあり、日本人の長寿の要因の一つかもしれないと報告。
 ただ「循環器疾患にかかった方で、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方については、納豆は、その作用を弱めるので、今回の結果はあてはまらない。」とまとめている。

※ JPHC Study (Japan Public Health Center-based prospective Study) :厚生労働省がん研究班による多目的コホート研究

多目的コホート研究(JPHC研究)
「大豆食品、発酵性大豆食品の摂取量と死亡リスクの関連 」
 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8438.html

メニューに戻る