食べ方上手で“メタボ”克服(平成29年2月)

今、日本の働き盛りの男性では、肥満、高血圧、脂質異常、そして血糖値の高い人が増えています。この“メタボ”は、アジアの周辺でも急速に増えています。ヒンズー教徒の多いインド、小乗仏教が国政のスリランカなどでは、宗教的に菜食主義の方が多いのです。しかし、私共の調査では、これらの国々では、30~40代になると、肥満が増え、血圧が高く、糖尿病になる人が急増しています。
 野菜を食べるのが主流なら健康に良い筈ですが、これらの国では、お肉を食べないだけの菜食主義で、決して野菜の摂取は多くありません。逆に豊かになって多くとるのが、パーム油やココナツなどの植物油とお砂糖なのです。これでは、カロリーの摂り過ぎになり易く、中年になるとそれまではスマートな体系だった人が急に肥満になってしまいます。
 

 野菜摂取の目標は、日本では、1日350gですが、男女の平均でこの目標値を達成しているのは、長野県だけで、県民の平均寿命は日本のトップです。野菜は煮込んで食べると塩分が多くなります。塩分を増やさずに、おいしく野菜を食べるには、蒸料理がお薦めです。調理は簡単で味付けをしなくても野菜は甘くておいしく食べられます。アジアの国々のピリ辛味は、塩分や脂肪、砂糖が少なければ“メタボ”の克服が出来る上手な食べ方になります。(家森)

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蒸し野菜 ピーナッツソース添え

材料:(2人分)

小かぶ1個(120g)
にんじん1/3本
さつまいも小1本(80g)
ごぼう1/2本
スナックエンドウ4個
 ピーナッツバター(加糖)大さじ2
 酢大さじ2
 薄口しょうゆ小さじ1/2
 豆板醤小さじ1/4
 にんにく小さじ1/4
 しょうが小さじ1/4

野菜は季節のものを、お好みで。

エネルギー:
150kcal
塩分:
0.4g
食物繊維:
4.6g

作り方

  1. かぶはきれいに洗って4つ割りにする。にんじん、さつまいもは乱切り、ごぼうは5cmに切り、縦に半分に切る。スナックエンドウは筋をとって、破裂しないように切り目を入れる。
  2. 電子レンジ容器もしくは、耐熱皿に野菜(スナックえんどう以外)と水小さじ1を入れ、蓋もしくは、ラップをして電子レンジ(500w)で3分加熱する。一度蓋を開け、スナックエンドウを加えてさらに1分加熱する。蒸し器の場合は、15分蒸してから、スナックエンドウを加えてさらに2~3分蒸す。
  3. ピーナッツソースの材料を混ぜ合わせ、野菜に添える。

    ※電子レンジの場合は一人分づつ加熱すると加熱ムラが少なくなる。 電子レンジによって加熱具合が違うので様子をみながら調理する。
    ※蒸し野菜は味付けしなくても、野菜の甘味でおいしく食べられます。ぜひ、初めは、ソースなしで味わってみてください。

ひと言 栄養ポイント

 食物繊維には、水に溶けない「不溶性食物繊維」と水に溶ける「水溶性食物繊維」があります。ごぼうを代表とする野菜類や芋、豆、穀物などに多く含まれる「不溶性食物繊維」は、腸を刺激して蠕動運動を盛んにし、便の排泄を促します。一方、海藻やきのこ、果物などに多く含まれる「水溶性食物繊維」は水分を吸収して膨張し、小腸での糖の吸収を穏やかにして血糖値の上昇を緩やかにしたり、余分な塩分やコレステロールの吸収を妨げたりする働きがあります。

 1日の目標摂取量は、女性17g/日、男性19gです。

 

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